都市整備が進み、生活に必要なものはほぼ全て揃った今日、これから求められるのは、個性ある地域の創出である。小さな地域での取り組みは共益であり、公益とは言い難いという考え方もあろうが、公益は共益の積み重ねという見方もできる。過去の政権で、官に代わって公共分野を担う民間を「新しい公共」と呼び、それを支援する政策が、呼び方は変わったが現政権まで続いている。エリアマネジメントは「新しい公共」の側面もあるが、積み重なることで公共が生まれる「小さな公共」と呼ぶといい。「小さな公共」を積み重ね、個性ある地域を作っていくことが、今後の社会には大切。大阪市の条例による各地区での積み重ねは、官民の役割再編につながる。「小さな公共」が活躍する社会には、官民が一緒に取り組んで互いにメリットが生まれるような、補助金と異なるインセンティブ・モデルが必要。レバレッジ、つまり官民両方が都市空間に投資し相乗効果を生み出すという考え方を、エリアマネジメントを通じて整理したい。 |