夏休みのワクワク体験をプロデュース!
「大丸有エコキッズ探検隊2023」レポート

今年で18回目を迎える「エコキッズ探検隊」。次世代を担う子どもたちを対象に、大丸有エリアにおいて、「まちめぐり」「理科実験」「食」「工作」「音楽」などをテーマにした13のプログラムが開催されました。コロナ明け初めての夏休み。子どもたちのクリエイティビティと笑顔が弾けたイベントの様子を少しお届けします。

“いらないもの”を使ってオリジナルキーホルダーづくり
かっこいい仕上がりに、アップサイクルの醍醐味を実感!

8月22日(火)に行われたのが、「親子でアップサイクルを学ぼう!」と題した工作のプログラム。最近よく耳にする「サステナブル」や「アップサイクル」という言葉を、手を動かしながら体感できるワークショップです。今回は、キーホルダーづくりに挑戦しました!

会場であるHave a Nice TOYKO!に集まったのは12組24人の親子たち。ワークショップの講師を務める「Ligaretta」(リガレッタ)のプロダクトデザイナー守田さんが、はじめに「アップサイクル」と「リサイクル」の違いについて説明します。子どもたちは「アップサイクル」という言葉を初めて聞いたのか「へぇ〜」と神妙なリアクション。ちなみに、いらなくなった製品をそのまま生かして別のものにするのが「アップサイクル」で、いらなくなった製品を一度資源に戻して別のものにするのが「リサイクル」。今回のキーホルダーづくりは「アップサイクル」に該当します。

リガレッタは、大丸有エリアに掲出されたバナーフラッグなどをアップサイクルして、バッグやアパレル製品を生み出しているブランド。次の20年の豊かなまちづくりを見据え、廃棄削減と素材循環をコンセプトにしています。守田さんは、街を彩るフラッグがたくさんのゴミになってしまうこと、それをアップサイクルするためにはフラッグに使われているモデルさんの顔写真や、企業のロゴ、デザインなどいろんな権利があるので、地紋をかけて元の様子が判別できないようにして使わなければいけないこと、できるだけゴミを出さないように、生地の取り方を工夫していることなどを教えてくれました。最後に守田さんが作り方を説明してくださり、いよいよ工作がスタートです!

テーブルの上にはあらかじめいろんな色や柄のフラッグの端材が置いてあり、子どもたちは気になる端材を手に取り、好きな形に切って組み合わせていきます。この形と組み合わせがキーホルダーにしたときに重なり合って、個性を出すポイント。色を合わせたり、逆にバラバラにしたり、フリンジみたいに切り込みを入れたり、輪っかを作ったり、みんな思い思いの組み合わせを楽しんでいます。子どもたちだけではなく、保護者の皆さんも楽しそうに理想の組み合わせを探していたのが印象的でした。組み合わせが決まったら生地に穴を開けてまとめて固定し、革パーツとリングを通したらキーホルダーのできあがり!

時間が余った人は、守田さんの指導のもと缶バッジづくりに挑戦です。好きな端材をバッチよりちょっと大きめに切って、バッジとともにマシンにセッティング。ガチャっとレバーを引くとおしゃれでかっこいい缶バッチができあがります。こちらもあっという間に完成しました。

どうだった?と子どもたちに聞くと、
「楽しかった!」「楽勝っ!」「かわいくできて嬉しい」とポジティブなコメントがたくさん。難しい作業がなかったので、小さなお子さんも集中力を切らすことなく取り組めたようです。

ちなみに、今回のキーホルダーで使ったパーツはすべて、リガレッタの製造工程でどうしても出てしまう端切れや余剰部品を使っています。もともとフラッグは雨風に耐えられるよう、丈夫に作られているので、キーホルダーも缶バッチも長く楽しめそう。みなさん早速バッグなどに飾りつけて、嬉しそうに帰っていきました。

描いた絵がラッピングバスになって大丸有エリアを走る!
小さな画伯たちが真剣に取り組んだ夢のようなプログラム

翌8月23日(水)は、「特別ワークショップ」でもある「きみのえがまちをはしる! エコキッズのみんなで、ラッピングバスをはしらせよう」プログラムにお邪魔しました。

このプログラムは、大丸有エリアを元日以外364日巡回している「丸の内シャトル」(丸の内自動車興業)という無料のバスを、子どもたちが描いてくれた絵でラッピングしようという夢のある企画。絵を描くのが大好きな子どもたちが集まってくれました。

まずは肩ならしに、大丸有エリアのキャラクター「マルケン」の絵を描いてから、いよいよ本番! ラッピングのデザインを担当するデザイナーの福原さんから絵のお題が発表されます。お題は「20年後の自分」。ちょっと難しいお題に、しばし考え込む子どもたち。
「20年後はどんな建物があるかな?」「人々はどんな服を着ているかな?」「乗り物の形も今と違うかもしれないよ?」「仕事も今とは違うかもしれないね」など、福原さんの言葉をヒントに、お父さんお母さんと相談したり、一人で悩んだりしながら、描き始めていきます。

描きたいものの写真をスマホで検索して描写していく子、バランスのいい構図にこだわって鉛筆で下書きをしていく子、頭の中でイメージが完成しているのか躊躇なく真ん中からクレヨンで一気に描いていく子など、描き方にも個性が現れます。近づいて絵を覗き込んでも、みんな集中していて真剣そのもの。でも、「これは何?」と聞くと、みんな丁寧に絵について説明してくれました。

この日はもう1つの試みとして、小児がんの医療支援のため「レモネードスタンド」が開かれていました。参加費にはレモネード1杯分の金額(300円)が含まれており、この売上の一部はエコキッズ探検隊からレモネードスタンド普及協会に寄付され、小児がん医療支援に役立てられます。ゲストとして、小児がんサバイバーの関口潤くん(17)が小児がんで子どもを亡くした親御さんと共に登場し、小児がんがどんな病気か、治療がどれだけ大変か、寛解した後も後遺症に苦しむことがあること、寄付金がどのように使われるかなどを教えてくれました。子どもたちも、保護者の皆さんもゲストの皆さんの言葉に静かに耳を傾けていました。

さて、子どもたちの絵もそろそろ完成です。完成品を見てみると、将来の夢を実現させたハッピーな未来像から、七色の生物が描かれた不思議な作品、水不足の世界を描いた意欲作、化石だけが描かれた意味深な作品などさまざま。オリジナリティ溢れる子どもたちのイマジネーションに脱帽しました!

「シンプルに好きなものの絵を描くのかなと思っていましたが、予想以上にお題についてしっかり考えて取り組んでいてすごいと思いました。みんなの絵が引き立つようにデザインしていきたいです」と福原さんも感心していました。

描き終わった子から、レモネードスタンドでお手製のレモネードをGETして「ゴクゴク。プハーッ」。長いこと集中していたからか、乾いた喉を潤しました。

ラッピングバスは2023年の12月頃から実際に走り出すというので、今から楽しみですね。

さて、大盛況のうちに幕を閉じた今年の「エコキッズ探検隊」。18回という歴史を重ねてきて、2回目の参加者や、兄弟・姉妹が参加して楽しかったからと、思い入れを持ってエントリーされた方も多くいらっしゃいました。人気のプログラムはすぐにいっぱいになってしまったこともあり、「本当はあのプログラムも参加したかったんです」とおっしゃるお母さんも。

今回取り上げた2つのプログラムの他にも、コットンクラブでビッグバンド•ジャズを楽しむワークショップや、Minecraftのワークショップ、理科の実験や調理体験、地下を探検するプログラムなど盛りだくさんでお届けしました。

これからも、大丸有エリアを舞台に、未来をつくる子どもたちが楽しめるイベントを企画していきますので、お楽しみに。

エコキッズ探検隊
https://ecokids.tokyo/

 

Writer:Miyuki Takahashi

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