2023年度リガーレ総会を開催しました

2023年5月26日、リガーレの2022年度の事業報告と収支報告、2023年度の活動方針と予算計画を会員の皆さまに承認いただく通常総会を開催しました。昨年度はリガーレにとって節目となる設立20周年だったこともあり、ファッションやアートなど新しい領域へもチャレンジしました。それもあって、冒頭の岸井隆幸理事長の挨拶では、活動の幅が広がっていくことへの期待感とともに、現在地と未来の方向性を議論する総会の重要性が語られました。

なお、瑞宝中綬章を受章した小林重敬会長からもご挨拶をいただく予定となっていましたが、この日は残念ながら欠席となりました。

2022年活動報告と2023年活動方針

総会の前半では、第1号議案として2022年度の事業報告と収支報告が、第2号議案として2023年度の活動方針と予算案について報告がありました。以下にそれぞれの報告内容を紹介します。

◆Marunouchi Street Park

4年目を迎えた「Marunouchi Street Park(MSP)」。2022年度は夏と冬の2回開催しました。夏季は「みんなのMSP」をコンセプトに掲げ、屋外で本を楽しめるライブラリーベンチや、卓球台を設置して運動を楽しめる場、仮設建築物を利用したレストランの屋外客席、ドッグランなどのプロモーションスペースを展開するなど、多様な人々が楽しみ、穏やかに過ごせる空間を創出しました。冬季は、初めての実施となる行幸通りにおけるルイ・ヴィトンとアーティストの草間彌生さんのコラボレーションで作られたアートオブジェや、丸の内パークビル前でティファニーの世界観が表現された空間など、ホリデーシーズンにふさわしいブランドとの連携が実施されたことです。こうした取り組みの結果、累計で約66万人もの来場者を記録しました(丸の内仲通りのみの概算カウント数)。

◆リガーレ20周年記念展示
2022年に設立20周年を迎えたことを祝して、これまでの組織の歩みを振り返り、発信する記念展示「まち・みち・ひとをつなぐ20年 大手町・丸の内・有楽町」を開催しました。これまで実施してきた賑わい創出やコミュニティ形成に関する取り組みをパネルで紹介したり、「数字で見る街づくり」と題してリガーレの取り組みや大丸有エリアの街づくりをクイズ形式で数字と共に紹介したりと、さまざまな企画展示を実施しました。

◆アップサイクルブランド「Ligaretta」設立
20周年事業の一つとして、大丸有エリアに掲出したバナーフラッグやイベントで使用した素材といった「まちで役割を終えたもの」を用いて洋服やトートバッグ、ノベルティとして新たにまちへと循環させるアップサイクルブランド「Ligaretta(リガレッタ)」を立ち上げました。Ligarettaは、エリアの廃棄量を減らすだけではなく、まちの物語が沁み込んだ素材を活用することでその物語をさらにつないでいくというコンセプトを持っています。この取り組みを通じてアップサイクルされたアイテムは、2023年8月下旬を目処に一般販売する予定です。

◆ペースフラッグプロジェクト「POLYPHONIC REFLECTIONS」
丸の内仲通りなどに、リガーレとして掲示するベースフラッグの第三弾として、有楽町の拠点で活動するアートチーム「TOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCH PROJECT(TPR)」とコラボレーションしたアートフラッグ「POLYPHONIC REFLECTIONS」を制作しました。ワードと写真で構成されるこのフラッグを見た人の好奇心を駆り立て、新しい気づきや発見が生まれることを目的として進められたものです。

◆歩き旅アプリ「膝栗毛」丸の内・皇居ルートオープン
2022年度にリリースした歩き旅アプリ「膝栗毛」に、丸の内・皇居エリアを巡る新ルートを導入しました。音声ガイドを聞きながら街歩きが楽しめるこのアプリは、エリアの歴史に触れることができるほか、ブランドショップやカフェ、アートスポット、さらにはリガーレの取り組みなど、エリアの今を体験できる内容にもなっています。

◆丸の内ラジオ体操
2022年度は春(第12回)と秋(第13回)に開催しました。丸の内で働く人々の健康促進やコミュニケーション活性化を目的として2015年にスタートした丸の内ラジオ体操には、1回あたり平均約120名と、コロナ前に並ぶ参加者数を記録しました。

◆大丸有キラピカ作戦
一般社団法人東京ステーションシティ運営協議会、八重洲・日本橋・京橋キラピカ作戦事務局、リガーレの3団体で行う大規模清掃活動「東京エキマチ キラピカ作戦」の一つとして実施される「大丸有キラピカ作戦」。行幸通りや丸ビル・新丸ビル周辺を担当する大丸有キラピカ作戦には大丸有エリアからは、就業者を中心に49団体400名ほどが、3エリア全体では1,000名を超す参加があり、企業のCSR活動やコミュニティ活動への関心が窺えます。

◆大手町・丸の内・有楽町 夏祭り2022
新型コロナウイルス感染症の影響で中止が続いていた「大手町・丸の内・有楽町 夏祭り」が3年ぶりに復活しました。高さ約5mにも及ぶ祭櫓も久しぶりに登場し、行幸通りでは多くの人に盆踊りを楽しんでいただきました。

◆第76回丸の内軟式野球大会
2022年度の丸の内軟式野球大会は45チームがエントリーし7月17日から約1ヶ月半にわたって白熱した試合が繰り広げられました。トーマツと三菱地所との決勝戦では、立ち上がりから攻勢を掛けたトーマツが終始リードを譲ることなく6対2で勝利し、見事優勝を果たしました。

◆エコキッズ探検隊2022
3年ぶりにリアルでの開催となった2022年度は「体力」「まちめぐり」「理科実験」「食」「工作」の5テーマ11プログラムを用意。コロナ前からご一緒していた事業者さんに加え、旧丸ビルの基礎に使用されていた松杭から作ったつみ木を使ったワークショップや、Minecraftを通じたリアルとバーチャルのまちづくりワークショップなど、新しいプログラムも実施されました。

◆エリアマネジメント広告
リガーレにとって柱となる収益事業。2022年度は、ティファニーやポール・スミスのようなハイブランドの広告や、大型MICEプロモーションのための広告の出稿が増えたことにより、過去最高となる3,900万円の売上を達成しました。

◆DMO東京丸の内 国際会議MICEの誘致事業
2020年度以降、新型コロナウイルス感染症の影響で停滞していたMICE・ビジネスイベント業界ですが、2022年度はリアルイベント開催に対する需要が復調の気配を見せ始めました。特に2022年10月の水際対策緩和以降は海外からだけでなく国内の企業からも問い合わせが増加し、事務局への問い合わせ数は前年度比200%増となる151件となりました。

◆有楽町アートアーバニズムYAU
日本でも有数のビジネス街である大丸有エリアに、アーティストという新しい登場人物を組み入れることで創造とイノベーションを引き起こし、大丸有エリアの魅力向上を目指していくアートプログラムです。第二期ではよりアート×ビジネスを推し進めるためのプログラムも展開し、約300人ものアーティストがこのプログラムに携わることとなり、担当者は手応えを語りました。

◆2023年度の活動予定
2023年度は、次の20年のまちづくりの基盤構築をしていく上での重要な年と位置づけています。活動方針としては① 活動の基礎となる「リガーレビジョン」の策定、② 各取り組みにKPIを設定して効果測定を行う、③ ①と②を踏まえて今年度の活動を実施、という3つを掲げています。事務局長の大谷典之は「過去20年の取り組みも必要なものは見直しながらアップロードをしていき、10年後、20年後に向けてリガーレはどのようなことができるのかを意識しながら進めていきたい」と話しました。

 

Photo & Writer  Tomoya Kuga

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