20年変わらないのは大丸有エリアに集う「人」を思うこと|Ligare20周年展示

2022年、リガーレは設立から20年を迎えました。大手町・丸の内・有楽町それぞれを、地域と人を、そして人と人を結ぶ、という思いのもと2002年に発足した当協会。大手町・丸の内・有楽町(大丸有)エリアが、集う人にとってより良い街となるよう、日々試行錯誤を続け、行政や近隣企業をはじめとする多くの方々に支えられながらこれまで活動してきました。

そして20年という節目を記念して、これまでのリガーレの歩みを伝える展示『まち・みち・ひとをつなぐ20年 大手町・丸の内・有楽町』を2022年12月5日~12月11日の期間で開催しました。
三菱ビル1階の「Have a Nice TOKYO!」を会場に、大丸有エリアで一緒にまちづくりに携わってくださった方々はもちろん、この街で働く方、訪れる方にも気軽に立ち寄っていただける内容となりました。

人が集い、思いを描いた20年の軌跡

展示では、これまでリガーレが取り組んできた「賑わいの創出」や「コミュニティ形成」の活動内容や背景を、来場者が楽しんでいただける仕掛けを取り入れながらご紹介します。

まず、会場入口には、展示のキービジュアルを大きく掲げました。丸の内仲通り(以下、仲通り)と東西の通りを俯瞰して見た様子と、丸の内アーバンテラスのアイコンであるイスをモチーフとし、街と人をつなぐリガーレをイメージしたビジュアルは目を引きます。

もうひとつ入口に飾られたのは柄杓のオブジェ。2005年から実施している環境活動「打ち水プロジェクト」で実際に使われている柄杓を用いて、デンマークで活動する若手建築家が手がけた作品です。ゆらゆらと浮かぶ柄杓たちは、打ち水の躍動感や打ち水を通した人々のつながりを感じさせます。

数字で見る街づくり

オブジェの奥には、大きく数字が書かれた垂れ幕が並びます。これらはすべてリガーレに関わる数字で、「266」は仲通りに掲載されるフラッグの数、「12467」は仲通りで行われるラジオ体操の延べ参加人数、「7m 7m 7m」は仲通りの道幅といったもの。垂れ幕の下には数字の答えとなるキャプションを配し、来場者は謎解きを楽しむような感覚でリガーレの歴史を追うことができます。


Marunouchi Street Park IDEA BOX

会場右奥の壁に広がるのは、仲通りで起きたさまざまな風景の展示とアイデアメモたち。ここは仲通りの道路空間を活用した都市型公園の社会実験「Marunouchi Street Park(MSP)」の参加型展示です。さまざまな交流や体験を生むアイデアを具現化してきたMSPのこれまでを紹介するとともに、来場者に未来の仲通りのアイデアを自由に考えてもらうコーナーを設置。
会期を経るごとにさまざまなアイデアに溢れ、未来が広がる空間となりました。

BYSNコーヒーとLigare年表

20年の歴史を振り返る「Ligare年表」はこれまでの歴史を記載した見ごたえあるコーナー。設立初期から長く続く活動や、社会や街の変化とともに生まれた取り組みがあり、大丸有エリアの歴史も感じられるものに。カウンターではコーヒーが振る舞われ、ゆったりと展示を眺める来場者の姿も見られました。
このコーヒーも実は、多様な人々が活躍できる街を目指してリガーレが取り組む「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」の一環です。リガーレ会員企業である株式会社スタートラインによる障害者の就労を支援するサービス「BYSN(バイセン)」で焙煎されたコーヒーを提供しました。

丸の内仲通りアーバンテラス

さらに奥には、仲通りではお馴染みのサイクルカフェと黄色のイスを展示。これらは仲通りを交通規制により歩行者に開放し、オープンカフェを実現する「丸の内仲通りアーバンテラス」を象徴するアイコンです。2015年から実証実験を重ね、いまではワーカーや来街者の憩いの空間として親しまれるこの取り組みも、3台のイスとサイクルカフェからはじまったというエピソードをもとに当時の雰囲気を再現しました。

エリアマネジメント広告/Ligaretta

この他には、大丸有エリアの通りを飾ったバナーフラッグと、20周年事業として立ち上がったLigaretta(リガレッタ)の展示を行いました。

さまざまなデザインが並ぶフラッグですが、大丸有エリアの広告物として、街並みと調和するデザインとなるよう審査を設け、丸の内らしい街の景観をつくっています。
さらに、こうして広告に使われたフラッグを、鞄やアパレル、ノベルティなど新たな製品にアップサイクルするブランド「Ligaretta」が20周年に合わせてスタート。世界でも街を舞台としたブランドは希少です。街の価値観をアイテムとして具現化し、街づくりのストーリーを感じていただくほか、今後は再加工できそうな廃材を見つけるワークショップなどを行い、コミュニティ形成へ展開する予定です。

マルケンUFOキャッチャー

会場にはマスコットキャラクター「マルケン」の着ぐるみもやってきました。週末には来街者で賑わう仲通りに出向くこともあり、お子様からも人気です。今回の展示ではマルケンのマスコットがUFOキャッチャーコーナーに登場し、来場者も楽しみました。

集まる人が多様化しても変わらないのは「人への思い」

リガーレ事務局長の大谷典之は、展示を通してリガーレの20年をこのように振り返りました。

「20年で街に集う人は多様化しました。ビジネスパーソンだけではなく、学生や家族連れも増えました。イベントを行うと幅広い方に参加いただけますし、そこから次のチャレンジが始まることも多く、リガーレが当初目指していたことが叶ったと思っています。一方で、20年経っても『人』にフォーカスをあてる姿勢は変わりません。人の幸せは何か、街としてできることを考え、集まる人を支援していきたいと考えています」

多様な人と知見が集まり、相乗効果が発揮されるのも、大丸有エリアだからこそ。街全体が助け合い、深く対話をしながらチャレンジを続けたい。そうした思いを持つ人々が集う場所として、リガーレも在り続けたいという思いが語られました。

ゆるやかなつながりと思いが、次のステップを生み出す

また、Ligarettaという新たなプロジェクトが立ち上がったことも大きなステップです。この事業を担当する長谷川春奈 は「クリエイターの方とタッグを組んでプロジェクトを進めていますが、私たちの思いに共感してくれたからこそ、ここまで形にすることができました。当初はじっくり時間をかけて育てるものとして計画していましたが、関わるスタッフの熱意が事業を推し進め、急ピッチで次の展開に向かっています」と語ります。
リガーレの思いに寄り添ってもらうのではなく、思いをともにすることで、チームとして強い連帯を持ってプロジェクトが進んでいます。

展示全体を担当した眞田修平もこの話を受けて以下のように語りました。
「周りの人の強い思いによって動いていくのがリガーレらしいと思います。これからも私たちだけではなくリガーレとご一緒いただく皆さんと、ビジョンを共有しながらよりよい街に向けてどう取り組んでいくかを考えていきたいです。
取り組みが多岐に渡ってきていますが、根底に流れる思いは変わりません。ゆるやかにつながり、互いに共鳴しながら、まずは『人』が起点にあることを忘れずに挑戦していきたいですね」

展示会初日の12月5日には、関係者向けに展示のツアーと懇親会も行われました。
スタッフが展示の見どころやイベントの裏側をお伝えするとともに、同時に開催されていたMarunouchi Street Parkを体験いただきました。懇親会では、リガーレ会長の小林重敬氏、リガーレ代表理事の岸井隆幸氏、千代田区副区長の坂田融朗氏、三菱地所株式会社 代表執行役執行役社長の吉田淳一氏から挨拶をいただいたほか、Ligaretta(リガレッタ)の発表も行われ、リガーレの20周年を盛大に祝う場となりました。

リガーレは、今後も「大手町・丸の内・有楽町地区まちづくりガイドライン」の趣旨・内容を尊重しつつ、地域の活性化や環境改善、コミュニティの形成に関する事業を行います。ラテン語で「結ぶ」という意味を持つ名称のもと、大丸有に集う人、企業の思いをつなぎ、人々の幸福に関して貢献してまいります。

Photo:Yuka Ikenoya(YUKAI)

Share This

Copy Link to Clipboard

Copy