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2026年度大丸有エリアマネジメント協会(リガーレ大丸有)総会を開催しました

実施日:2026年5月29日

2026年5月29日、リガーレ大丸有は通常総会を開催し、2025年度の事業・収支報告と、2026年度の活動方針・予算計画を発表しました。

2026年度は、より効率的な活動と注力が必要なコミュニティ形成に向け、「NPOとして活躍できるフィールドの再認識」と「コミュニティ形成のあり方の再吟味」の2つを重要なテーマに掲げて活動することを宣言。その詳細な考え方の共有が行われました。

冒頭、議長を務めた岸井隆幸理事長は、日本のエリアマネジメントの発展とこれからの展望について、次のような挨拶がありました。

「2002年にリガーレが設立されてから早くも24年が経ちました。ガイドラインの策定やハードの整備を経て、その活動は今まさに本格化しています。この間、大丸有の後を追うように渋谷や新宿でもエリアマネジメント活動が活発化していますし、大丸有における取り組みも神田や内幸町、八重洲に日本橋と、どんどんと広がりを見せています。本日はこれまでの歩みとこれからを共有する貴重な機会ですので、ぜひ多くのご意見をいただきたいと思います」

2025年度活動報告

第1号議案では2025年度の事業報告と収支報告についての説明が行われました。

◆丸の内仲通りの維持管理

丸の内仲通りの高質さを維持し、さらなる魅力向上を実現することを目指し、リガーレは2025年3月に千代田区との間で「丸の内仲通りの維持管理に関する連携協定」を締結しました。この締結に基づき、仲通りを象徴するアルゼンチン斑岩の修繕・点検をはじめとした区道の維持管理を本格化させています。その一環として、2025年度には傷みの目立っていた点字ブロックの全箇所交換を実施するなど、安全で美しい景観を両立させる、きめ細やかな街の管理を推進しています。

◆Marunouchi Street Park

2025年度も丸の内仲通りを舞台に、春夏冬の3回に渡り「Marunouchi Street Park」を開催しました。春は、2024年度に引き続きヴァンクリーフ&アーペルとフランス人アーティストのアレクサンドル・ベンジャミン・ナヴェ氏とコラボレーションし、花をテーマにした空間で風車づくりのワークショップやデジタルスタンプラリーなどを実施。街の魅力を再発見する機会を提供しました。夏は「Blending the Streetscape(街並みをブレンドする)」をテーマに、様々なアクティビティを通じて思わず街に滞在したくなるような空間を創出しました。例えばハーブガーデンによるリラックス空間を演出したり、アシックスとのコラボイベントを行い企業プロモーションの場としても活用しました。冬は行幸通りに初めてクリスマスヒュッテを設置し、周辺イベントとの相乗効果で多世代が楽しめる魅力的な空間を実現しました。

◆丸の内夏祭り

夏の恒例イベントである「大手町・丸の内・有楽町夏祭り2025」のひとつである「丸の内夏祭り」を、2025年7月末に2日間に渡って開催しました。初日のセレモニーには浅尾慶一郎環境大臣をはじめ、栗岡祥一東京都副知事、樋口高顕千代田区長、東京駅の百瀬孝駅長などの来賓をお迎えし、大丸有エリアの就業者や来街者とともに打ち水を実施しました。江戸時代から続く涼の知恵を体現することで、環境意識の向上と日本の夏文化の発信につなげています。

夕刻からは行幸通りに櫓を組み、太鼓の音に合わせて盆踊りを開催。就業者や地域住民だけでなく、海外からの観光客も飛び入り参加するなど、会場は大きな賑わいを見せました。

◆エリアマネジメント広告

リガーレの活動を支える大きな柱であるエリアマネジメント広告は、街の美観を高め、快適な街路空間を維持し、その広告収入をまちづくりに還元する取り組みです。2025年度は、イベント連動型広告や国際会議等のMICE案件、東京マラソンといった恒例案件に加え、アサヒビールによる新商品プロモーション広告という新しい形態の広告出稿を行っていただくことができました。本来は広告掲出が制限される大丸有エリアにおいて、唯一掲出可能である点や、エリアの景観の良さがクライアントから高く評価されています。

また、掲出後のフラッグを再利用するアップサイクルの取り組みへの関心も高まっており、クライアント側からの要望も増加しています。これによってアップサイクルブランド「Ligaretta」の認知度向上にもつながっています。

◆Ligaretta

ブランド設立3年目を迎えたアップサイクルブランド「Ligaretta」。2025年度は、エリア内の様々なプロジェクトと連携し、認知拡大と次世代教育に注力した年となりました。

「エコキッズ探検隊」の20周年特別企画では、丸の内仲通りのフラッグ広告を再利用するワークショップを実施し、デザイナーになりきる体験をしていただきました。また、「循環」をテーマにした体験型フェスティバル「丸の内循環広場」への出展を通じて、エリアの就業者や来街者へ広く発信した他、12月にはコンセプト動画を内包したオンラインストアを立ち上げました。さらに、立教大学でのワークショップに参加するなど、次世代教育への取り組みも推進しています。

◆丸の内ラジオ体操

2015年より就業者の健康増進を目的として昼休みに開催している「丸の内ラジオ体操」は、エリア内の様々なイベントとの連携を強めています。例えば世界理学療法連盟学会と連携し、丸の内ラジオ体操×世界理学療法連盟学会の特別なラジオ体操を実現。多言語対応も取り入れることで、インバウンド層からの関心も集めました。秋には体操日本代表とのコラボイベントも実施。参加者にはエリア店舗で使える特典を設けることで、街の周遊を促す企画も展開しました。

◆第79回丸の内軟式野球大会

1946年から続く歴史ある「丸の内軟式野球大会」を2025年度も開催しました。例年会場としていた神宮外苑の軟式野球場が再開発に伴う解体工事の影響で使用できなくなったため、埼玉県の大宮けんぽグラウンドなどで試合を実施。大丸有エリアから離れた場所ということで他のイベントとは毛色が異なりますが、会社の仲間との交流を促進し、平日のオフィス環境にも好影響を与える有意義な機会として親しまれ続けています。

そして2025年度は、46チームが参加した中で日本郵船が6年ぶりの優勝を飾り、企業間や部内の絆が強まり、エリアへの愛着が向上したといったコメントが寄せられました。

◆エコキッズ探検隊

「エコキッズ探検隊」は、20周年を迎えたことを記念して特別プログラムを多数実施しました。初の取り組みとしては、DMO東京丸の内と連携し、神田明神での江戸文化体験や、帝国ホテルでSDGsを学ぶプログラムなど、大丸有エリアの企業と一体となってオリジナリティ溢れる体験機会を子どもたちに提供しました。コロナ禍以降高まっている、親子でのリアルな体験ニーズに応える内容となっています。

◆大丸有キラピカ作戦

大丸有エリアの就業者を対象としたコミュニティ活動の一環として定着してきている「大丸有キラピカ作戦」。2025年度は「東京ステーションシティ キラピカ作戦」、「八重洲・日本橋・京橋キラピカ作戦」と連携した3エリア合同による「東京エキマチ キラピカ作戦」として開催されました。当日は31企業・団体から412名に参加いただきました。参加者からは、もともと美観が保たれている分、ゴミを探すことで散策しながら発見する喜びを得られることや、他社の就業者との交流が図れる点などについて好評をいただきました。

◆DMO東京丸の内

2025年度のDMO東京丸の内への問い合わせは154件、成約は10件でした。前年度より減少したもののMICE案件の精度を重視した結果であり、施設稼働率の上昇で直前の提案が難しい状況下でも丁寧な対応を継続しました。

大型案件ではサステナブル・ブランド国際会議の支援において、コットン・クラブでのプレナイトパーティー開催というユニークベニュー活用事例を創出。世界理学療法士学会では、仲通りでのラジオ体操特別参加企画を実施しました。国際展示会への参加を通じて独自のストーリーを伝えるツール整備を課題としたほか、日本ワインツアーによるプログラム活用の可能性も確認しました。また初の全会員アンケートを実施し、情報交換の場を求める声を把握し、次年度以降の取り組みに活かすヒントを得ることができました。

◆有楽町アートアーバニズムYAU

「有楽町アートアーバニズム(YAU)」は、2025年5月に北有楽ビルにスタジオ機能を移転したことに加え、10月には銭瓶町ビルディングに新拠点となる「YAU CENTER ぜにがめ」を開設しました。隣接するアートギャラリーと連携して、アートと都市が交わる活動を展開しています。

新たな試みとして、移動型プログラム「YAU KIOSK」を始動させ、展示やワークショップ、パフォーマンスなどのアートを大手町・丸の内エリアへと展開していきました。さらに12月には、社会や経済の未来をアートを通して考える都市型イベント「FUTURE VISION SUMMIT2025」を開催し、国内外のリーダーやアーティストが登壇するカンファレンスや、企業との共創によるアート展示を実施しました。

2026年活動方針

第2号議案では、2026年度の活動方針と予算案について報告が行われました。

冒頭の岸井理事長の挨拶にもあったように、大丸有エリア以外の様々な地域でエリアマネジメントが活性化してきている中で、日本のエリアマネジメント団体の先駆け的な存在であるリガーレでは、これまで以上に効率的に活動していく必要性を感じています。また、リガーレの活動は「公的空間活用」と「コミュニティ形成」の二つを大きな目的としていますが、前者は順調に進んでいる一方で、後者は一層の注力が必要という認識を持っています。

こうした現状を踏まえて2026年度は、(1)NPO法人であるリガーレだからできるフィールドを再認識すること、(2)コミュニティ形成のあり方を再吟味すること、という2つを重要なテーマに掲げて活動をしていきます。

(1)については、これまで大丸有エリアの就業者や地権者、来街者といった多様な主体を巻き込みながらエリアの活性化に寄与してきたリガーレは、中立的なNPO法人であると同時に、都市再生推進法人でもあります。民間企業ではないからこそ利害性を持たず、スモールスタートが可能という強みを持っています。この特徴を活かして、今後の事業優先度を判断する「取組の4基準」を策定しました。2026年度はこの4点を意識しながら取組を進めていきます。

1. 公的空間活用の新たなトライアル

2. 行政調整が要る“公平なエリアルール”の推進役

3. 単独民間ではできない“エリア課題解決・ニーズ実現”

4. 多様な主体(行政・地権者)と組む必要がある取組、組む方が成果が伸びる取組を担う

また(2)については、リガーレはビジネス以外の価値観を起点に、人と人がゆるやかに繋がり合い、将来的な多様な協業や関係性構築に発展させることで、街への愛着や親しみを創出し、エンゲージメントの向上をもたらすと定義。その上で、2026年度は既存事業で生まれた緩やかな集合体を強固なコミュニティへと育成していくことを目指します。そのための具体策として、以下の3つの取組を推進していく予定です。

A. 会員(理事含め)の交流強化

B. 既存イベント内の交流設計(ニーズ把握等含む)

C. 情報発信

そして今後は、既存の取組の中でコミュニティを醸成する工夫を行っていきます。例えばエリア外で開催する軟式野球大会ではPR動画の配信や交流会を開催して認知度を向上します。またエコキッズ探検隊では、エリアの就業者が子どもと参加しやすい仕組みを構築していくといった具合です。こうした展開を通じて「リガーレの中の準コミュニティを強いコミュニティに育てていくことを重点的に行なっていきたい」と、事務局長の大谷典之は語りました。

最後に岸井は、「AmazonやGoogleのような世界を変えた企業も、もともとは小さなアイデアとコミュニティから始まりました。大丸有のまちづくりが進む中、リガーレも参加者が自由にアイデアを出し合い、次の時代に向けた新しい可能性を探れる場を提供していきたいと考えています。」と、リガーレの提供価値を改めて強調し、総会を締めくくりました。

Photo & Writer:Tomoya Kuga

活動分野:その他、年間活動報告