大丸有エリアマネジメント協会(リガーレ)は、2002年に設立されたNPO法人です。大手町・丸の内・有楽町エリアにおいて、「公的空間活用」「コミュニティ形成」を目的として、地域の活性化や賑わいづくりなどに取り組んでいます。
丸の内仲通りを歩行者中心の空間に変える社会実験「Marunouchi Street Park」や、小学生向けのワークショップ「エコキッズ探検隊」、戦後から続く「丸の内軟式野球大会」などのイベントのほか、エリアの施設やユニークベニューを活用した「都心型エリアMICE」の誘致・開催支援「DMO東京丸の内」の事務局も務めています。
ラテン語で“結ぶ”を意味する「リガーレ(Ligare)」は、地域と人を結ぶ、人と人を結ぶ、そんな気持ちを込めて協会の愛称としました。
日本を代表するビジネス街、大手町・丸の内・有楽町の頭文字を取って「大丸有(だいまるゆう)」と呼び、3つの地区を合わせた約120haのエリアを「大丸有エリア」と総称します。大丸有エリアの西側には緑豊かな皇居が拡がり、北側で神田、南側で日比谷・銀座、東京駅を隔てて東側で八重洲・日本橋と隣接する、多様な活動が集積するエリアです。
近年では、ソフト面のまちづくり活動のことを「エリアマネジメント」と呼ぶことが定着してきました。大丸有エリアには役割が異なるエリアマネジメント団体が3つあり、互いに連携・補完しながらまちづくりを一体推進しています。ここでは、リガーレ以外の2団体をご紹介いたします。
「大丸有まちづくりガイドライン」を基にハード面の整備が進む中、ソフト面でのまちづくりを進める役割を担う組織として、丸ビル建て替え・丸の内仲通り再整備と同じ2002年に誕生。当初はコミュニティ形成をメインの目的として、セミナーの開催や街のガイドツアー、「丸の内シャトル」の運行、夏休みの小学生向けワークショップ「エコキッズ探検隊」などを実施。同時に、丸の内仲通りでのオープンカフェ実施や「東京のしゃれた街並みづくり推進条例(通称:しゃれ街条例」におけるまちづくり団体登録(2005年)を通じて、公的空間活用の活動も拡大していく。
行幸通りで開催される打ち水は2005年から、盆踊りは2013年にスタートし、現在ではエリアの風物詩となっている。同じく東京駅前を拠点として行なわれる大規模な清掃活動「キラピカ作戦」と、丸の内仲通りで春・秋と開催される「丸の内ラジオ体操」は2015年より開催、多くの人々に認知されるコミュニティ活動となった。
丸の内仲通りで日中の時間帯に実施されている「丸の内仲通りアーバンテラス」は、2014年にモデル事業として開始し、約2年の期間を経て本格稼働となり、今の姿となっている。アーバンテラスをベースとして、道路空間の更なる使い方の検証を目的とした社会実験「Marunouchi Street Park」が2019年にスタート。丸の内仲通りを一夜にして公園に変貌させたあの日を出発点とし、現在も様々な形で空間づくりの検証を行っている。
日本国内でインバウンドの需要が大きくなる中、大丸有エリア一体となってMICE(※)の誘致・開催支援を行うことを目的に、リガーレが事務局を務める「DMO東京丸の内(任意団体)」を2017年に設立。エリア内に多数点在する施設やユニークベニューも活用した「都心型エリアMICE」を掲げ、エリアの活性化と同時にMICEの付加価値を高めるサポートを行っている。
※MICE(Meeting, Incentive, Convention, Exhibition/Event)の頭文字を取ったもので、大きな集客効果を望めるビジネスイベントの総称
大丸有エリアの景観向上のためのルールに基づいて、屋外広告物を企業に販売し、その収入をエリアマネジメント活動の財源に充てる「エリアマネジメント広告事業」もモデル事業期間を経てリガーレが事務局を担う。2022年には、屋外広告物として掲出されたフラッグをアップサイクルしたアパレルブランド「Ligaretta」を立ち上げ、サステナブルな広告のあり方を考えている。
2015年に都市再生推進法人の指定を受ける。2022年には設立20周年を迎え、20年前と変わらない「公的空間活用」「コミュニティ形成」をベースに、目まぐるしく変わる時代の潮流を捉えながら、さらに活動の幅を広げていく。