丸の内のホリデーシーズンを彩る
「Marunouchi Street Park 2023 Winter」レポート

昨年に引き続き、ホリデーシーズンの11 月 28 日(火)~12 月 25 日(月)に丸の内仲通り、行幸通りにて開催された「Marunouchi Street Park 2023 Winter」。クリスマスムード満載のフォトスポットをはじめ、ホリデーシーズンにぴったりの商品が並ぶマーケットや、昨年大人気だったメリーゴーランド、そして東京駅舎を望むスケートリンクが今年も登場し、クリスマス気分を楽しむ多くの人たちで賑わいました。

Block 1:「Bright Smile」

丸の内仲通りの丸ビル前に展開されたBlock 1には、イルミネーションに彩られたショップがずらっと並ぶ「グラスハウスマーケット」が登場。アンティークディーラーが週替わりに営業するアンティークマーケットや、クリスマスオーナメントなどの輸入雑貨を販売するショップ、温かいスープやホットドリンクを提供するクリスマス限定のショップなどが出店し、海外のマーケットのような雰囲気に包まれました。

夏に開催された「Marunouchi Street Park 2023 Summer」でも好評だったブランコ型のベンチには、大きなリースを設置し、クリスマス仕様に生まれ変わりました。このベンチは海外からの観光客や学生達にも人気のフォトスポットとなり、クリスマスが近づくと行列ができるほどでした。



Block 2:「Bright Smile」

続くBlock 2にはこちらも同じく「Marunouchi Street Park 2023 Summer」で設置した「寄り道ベンチ」が拡充して再登場しました。イルミネーションを見上げながら一息つけるベンチは解放感たっぷり。道路の脇で寝そべりながらおしゃべりを楽しんだり、くつろぐ人々の姿は、街中ではなかなか見られない珍しい光景です。またこちらには、期間限定で「帝国ホテル」のキッチンカーも出店。シナモンロールやジャンボンフロマージュを目当てに、大変多くの方が利用しました。
2019年から続いている公共空間の新たな可能性を模索するMarunouchi Street Parkの取り組み。寒さが深まる季節でも、人々が屋外に出て思い思いの時間を楽しむ姿は心温まるものがありました。

Block 3:「Bright Magic」

次に見えてきた丸の内パークビル前のBlock 3には、昨年も3万6000人が訪れ大人気だった「メリーゴーランドベンチ」が今年も登場。街中でメリーゴーランドが楽しめるとあって、昼間から子ども達に大人気。夜も非日常を味わいたい人々で順番待ちの列ができていました。

こちらのエリアにもグラスハウスマーケットが展開され、「ザ・ペニンシュラ東京」のシュトーレンやミンスパイなどのクリスマスの定番から食べ歩きが楽しい「Textura」のチュロスやホットサングリアなどのメニューがずらり。寒空の下、冷えた体を温めてくれました。

「Marunouchi Street Rink」

そして行幸通りには、昨年に引き続き、期間限定のスケートリンク「Marunouchi Street Rink」が登場しました。美しい東京駅舎を背景にスケートを楽しむことができるとあって、冬の東京駅の観光スポットになっています。

そんなMarunouchi Street Rinkを舞台に、12月10日にはプロフィギュアスケーターの鈴木明子さんによる小学生向けのスケートレッスンが開催されました。ここからは、子どもたちが笑顔で奮闘したこの日の様子をレポートします。

転んでも負けずに何度もチャレンジ!
子どもたちの成長を感じる1日に

イベント当日は快晴で最高気温20℃にもなり、12月とは思えないポカポカ陽気。お日様につられたのか、Marunouchi Street Park周辺は多くの人たちが行き交いました。そんな中、ひと際目立つ存在なのが、行幸通りのMarunouchi Street Rink。白光を放ちながら、東京駅の風景を冬らしくロマンチックに演出していて、行き交う人々も「なんだなんだ?」と興味深げに覗いています。

こんな暖かくてスケートリンクは大丈夫かな?と心配になる方もいるかもしれませんが、ご安心ください。Marunouchi Street Rinkは樹脂でできたスケートリンク。炎天下でも氷が溶け出すことはありません。一般的なアイススケートリンクのように、氷を冷やしておくための電気や水が必要ない、環境にやさしいリンクなのです。それでいて滑走性能もよく、スケート靴で普通に滑走することができます。

参加する20人の小学生は、イベントがスタートする10時30分にはスケート靴を履いてリンクサイドにスタンバイ。早く滑りたいとウズウズしています。そこに、バンクーバー五輪、ソチ五輪と2大会連続入賞を果たしたオリンピアンである、プロフィギュアスケーターの鈴木明子さんが登場。ピンク色のニットで登場した鈴木さんの姿に、うっとりしたのか緊張したのか、子どもたちの頬も少しピンク色になりました。

準備体操をした後、早速みんなでリンクに上がっていきます。スケートリンクの特殊な感覚に慣れるように、最初はリンクの上を歩くところからスタート。歩いてジャンプしたり、歩いて加速した後にスーッと滑ったり、歩いてから片足で滑ったりしながら、徐々に滑る感覚に慣れていきます。鈴木さんがマイクを通して、滑り方のコツを話してくれるので、みんな滑りながらもしっかりとアドバイスを受け止めているようでした。

続いてアイススケートの基本的な技術である「ひょうたん滑り」(滑った軌跡がひょうたん型になる滑り方)にもチャレンジします。だんだん難しくなってくると、バランスをとるのに一生懸命になり、子どもたちも真剣な表情。あちらこちらで尻餅をついていますが、転んで立ち上がる方法も教えてもらっているので落ち着いてやり直すことができます。なかなか上手くいかない時は、鈴木さんがアドバイスをくれたり、真っ白な衣装のお姉さんアイススケーターたちが手取り足取り優しくサポートしたりしてくれました。

お次は、参加者を半分ずつ2つのグループに分けて、8の字を描きながらリンク内を大きく滑ります。途中で体の向きを右前、左前と変えながら滑る練習をしました。さらに、リンクに2つの円を描くようにチームごとにクルクルと回る練習も。少しずつですが、カーブを滑るのにも慣れてきました。

最後に、その場で腕をブンブンと回して勢いを付けてスピンし、ポーズを決めます。フィギア選手のようにカッコよくポーズを決めることができ、リンクの外で見学していた保護者の皆さんを大いに盛り上げました。

その後はしばしの休憩を挟んで、子どもたちは教えてもらったことを思い出しながら自由に滑走。休憩時間も「まだ入っちゃだめ?」と滑るのが待ちきれない様子でした。

子どもたちに「どうだった?」と話を聞くと、
「難しいけどめっちゃ楽しい!」
「超カンタンッ!! 楽勝!!」
「初めてスケートしたけど、スーッと滑っていく感覚が楽しかった!」
などと、テンション高めに答えてくれました。

保護者の皆さんも嬉しそうです。
「何度も転んでお尻が痛くて涙を流していたけれど、止めないで最後まで頑張っていました。楽しかったんでしょうね」
「スケートが好きみたいで、このMarunouchi Street Rinkも含めて何回かリンクには通っています。普通に滑ることはできるんですけど、それ以上のことは教えてあげられないから、今回鈴木さんから回る方法などを教えてもらえてよかったです」と、子どもたちの成長を喜ぶ声が聞かれました。

ちなみに今年のMarunouchi Street Rinkでは、スケートリンクの隣にカーリング体験スポットも登場しました。テレビで見たスイーパーのように、声を掛け合いながらブラシでリンクをコシコシ。子どもたちも楽しそうです。

都心の広場・公園的空間の在り方を検証する社会実験として開催してきたMarunouchi Street Parkですが、冬の開催は気候的なハードルがあるものの、イルミネーションや華やかなフォトスポットの効果もあり、たくさんの方が非日常の空間を楽しみに丸の内を訪れました。

大丸有エリアマネジメント協会では、今後も日本や東京を象徴する場所での「ウォーカブルなまちづくり」に寄与する取り組みを続けていきます。これからの丸の内仲通りにぜひご期待ください。

Photo:Yuka Ikenoya (YUKAI)、Ukyoo koreeda

Writer:Miyuki Takahashi

 

 

 

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