都心における屋外空間のニューノーマルなあり方を実験
Marunouchi Street Park 2020

7月27日から9月6日の期間、「Marunouchi Street Park 2020」を実施しました。
「Marunouchi Street Park」とは、都心の道路空間を憩いの場として開放する社会実験です。2019年5月の第1回に続く今回は、新型コロナウイルスの影響を考慮し、密集・密閉・密接を避けた快適な空間が求められる中での実施となりました。
コロナ禍において、屋外空間はどうあるべきか、どう過ごせると良いのか。感染拡大防止への配慮を徹底しながら屋外空間の新たな可能性を探る機会として、3つのコンセプトを掲げ、新しいライフスタイルを提供する空間を展開しました。

(1)ビジネスからランチの場に。都市型テラス「Urban Terrace+」

丸ビルと三菱商事ビル・郵船ビル前のブロックでは、通常実施している「Urban Terrace(平日11時〜15時、土日祝日11時〜17時)」から、車両交通規制時間を24時間に拡大して実施。ソーシャルディスタンスが保たれ広々とした空間は、オフィス街ながらゆったりとした時間が流れました。
丸ビルの外構にはキッチンカーやSDGsの推進として実施している「産地直送あいのり便」と連携したマルシェが並び、屋外カフェや日本各地から届いた食材を楽しむことも。
また、日が暮れた後にはバルーンライトとキャンドルライトがあたりを照らし、夜風に吹かれながらナイトタイムを楽しむ人々で賑いました。

  

(2)天然芝で自然感じる公園「Cozy Green Park」

丸の内二丁目ビルと丸の内仲通りビル前のブロックには、生分解性素材のユニットを使用した天然芝を車道一面に敷き詰め、緑豊かな公園が出現。
アスファルトの照り返しが厳しい夏の日でも、芝生の上を歩くと涼しくなり、まるで森の中にいるような自然の香りに包み込まれます。さらに芝生と杉の木で作られたベンチや、昨年の台風 19 号の影響で倒れた長野県野尻湖宇賀神社のご神木を再利用した大きな丸太ベンチが設置され、自然を手触りで感じられる工夫が随所に展開。
一部の沿道店舗では屋外客席を拡大し、芝生の上で食事を楽しむ様子が見られました。

また、「Cozy Green Park」ブロック内では一部の期間、3Dレーザーセンサーを用いて人の動きを計測し、WEBサイト上にてリアルタイムで公開。人の数や軌跡を見ることができ、事前に疎密状況を判断することを可能にしました。

  

(3)フリーWi-Fi・電源・屋外用エアコン完備の快適な屋外オフィス空間「Open Air Office」

丸の内パークビルと明治安田生命ビル前のブロックでは、フリーWi-Fiや電源環境を整えた新たなワークプレイスの場を提供。快適に集中して仕事に取り組むことができるように、パラソルや八丈島産のヤシの木、屋外用エアコンが設置され、屋外だからこそ感じられる心地よさを創出しました。
デスクワークからミーティングまで利用シーンは多岐に渡り、通りの中央に設置されたドームテントは、個室空間となっているためオンライン会議の場所として活用されました。

このように3つのコンセプトによるブロックにて展開され、昨年度から期間と規模ともにスケールを拡大しての実施となった「Marunouchi Street Park2020」。
ワーカーや来街者、大人から子どもまで多様な人が行き交う丸の内仲通りをブロックごとにコンセプト付けることで、利用者層や時間帯による利用状況に違いが現れ、さまざまなニーズが明らかになりました。また、今年の取り組みでは人流データの収集や来街者のアンケート調査を注力して行い、今後の展開に向けてデータを戦略的に活用していきます。

今年の「Marunouchi Street Park2020」は未曾有の事態の中での実施となりましたが、社会実験という枠組みを最大限に活かすことで、新しいライフスタイルに向けた空間のあり方の提案を素早く展開することを可能にしました。
今後も日本を代表するエリアとして、都心における屋外空間の新たな可能性を探るべく率先して取り組んでいきます。

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