夏休み中の子ども達がいきいきと体験しながら学ぶ「大手町・丸の内・有楽町 エコキッズ探検隊2018」が7月22日から8月21日まで開催されました。
この取り組みは、大手町・丸の内・有楽町(大丸有)エリアの企業や団体の協力のもと、街に親しみを感じてもらうようなプログラムを提供しています。13回目を迎えた今年は「音楽」「体力」「まちめぐり」「理科実験」「食」「工作」の6つをテーマに、18のプログラムを実施しました。
8月21日に開催された「急須でお茶を淹れてみよう! 一保堂体験教室」には、7組、14名の親子が参加。はじめてでも使いやすい急須を使って、おいしくお茶を淹れるコツを学びました。
プログラムを提供した日本茶専門店「一保堂茶舗」は、有楽町に店舗があり、普段は落ち着いた空間の中で、ゆったりとお茶をいただく喫茶室が今回の会場となりました。大人な雰囲気に、子どもたちも自然と背筋が伸びているようでした。
子どもたちの緊張をほぐすように、プログラムはまず「お茶の味探しクイズ」からスタートしました。トレイに並んだ、3種類の異なる味のする液体と緑茶と飲み比べながら、茶に含まれる“旨味”を探していきます。子ども達は自分の舌を頼りに「これは苦いね」「少しすっぱく感じる」と味の違いを体感しました。
お茶の「味」を学んだ後は、いよいよお茶の淹れ方を学びます。「急須でお茶をいれるのは初めて」という子どもがほとんどだったこともあり、「茶葉の入り口はここ」「お湯を入れたら熱くなるので、こうやって持ってね」と、道具の使い方を含め丁寧に教えていきます。そして、2つのマグカップを用意し、味の濃さにムラができないように「いーち、にー」と掛け声をかけながら交互に急須をかたむけ、上手にお茶を淹れることができました。
この日は、急須で淹れたお茶と一緒に、水で15分かけて抽出する「水出し」の淹れ方も体験。最初に覚えた“旨味”を思い出しながら飲んでみると「水で出すと旨味が強いね」「お湯で淹れたほうが、さっぱり」と、味わいの違いを発見することができました。これには一緒に参加していた保護者の方からも「おなじ茶葉でも、お湯の温度でこんなにも味が変わるなんて」と驚きの声が。子どもだけでなく、大人にとっても学びのあるプログラムでした。
プログラムを担当した広報の上出小百合さんは「急須は割れ物ですし、お湯を使うので、大人としては子どもにお茶を淹れさせることは心配な面も。そもそも、ご家庭に急須がないというご家庭も最近は多いんです」。エコキッズ探検隊を通じて「親子でプログラムを体験して頂くことで、急須を扱う事への心配がなくなり、お茶との距離が縮まるきっかけになればうれしい」と話してくれました。
エコキッズ探検隊は、“エコ”という名が表すように、子どもたちへの環境教育の一環としてスタートしたイベントですが、今回の一保堂茶舗をはじめ、コットンクラブなど、エリア店舗参加も年々増えてきています。
その理由として、エコキッズ探検隊を主催する当協会で、立ち上げ当初から運営に携わってきた中嶋美年子は「夏休みの単なるイベントとして終わらせず、継続したエリアコミュニティを構築していくために開催しています」と話します。
様々なテーマやプログラムを実施するために、多様な企業や団体に協力を仰ぐことで「顔の見える“ご近所付き合い”を深めて一緒に街を盛り上げるプラットフォームをつくる」ことも、そのための第一歩。
“ご近所”が一体となって、子どもたちを迎え入れる環境を整えることで彼らがこの街に愛着を持ち、「いつか大人になって遊びに来る、イベントを手伝ってくれる、ということになれば嬉しいですね」と、次世代を担う子どもたちと街との関係性の理想を描く中嶋。
「将来、必ずしも大丸有で働く人ばかりでなくてもいいんです。再び街に訪れた際にエコキッズ探検隊での体験や学びを、たのしかった記憶として思い出してくれたら」と笑顔で語りました。
エコキッズ探検隊
https://ecokids.tokyo/