2019年度リガーレ総会を行いました

5月22日、2018年度の活動を振り返り、2019年に向けた活動方針を発表するリガーレ総会を行いました。また、2002年の設立時から理事長を務めてきた小林重敬氏が6月1日付で一線を退き、新たに設けられる会長職に就任することなども発表され、装い新たに新たな一歩を踏み出そうとしていることが確認されました。

大きな飛躍となった2018年度

まず、事務局の藤井より、年度初頭に掲げた5つの活動基本方針に基づいて、2018年度の活動を振り返りました。
5つの活動基本方針は下記の通りです
①公的空間活用における活用の幅の更なる拡大
②DMO東京丸の内の本格的組織化及びプレゼン施設の開設と活用
③BtoBtoCアプローチを通じた地区内企業(地権者のみならず、テナントも)の巻き込みによるエリアマネジメント組織としての更なる活性化、並びにSteakeholder Relationsの強化
④リガーレの「都市再生推進法人」化(公的位置づけの獲得)
⑤全国エリアマネジメントネットワークの活動を通じた海外団体との連携強化

①「公的空間活用における活用の幅の更なる拡大」においては、仲通りで54件のイベントを121日実施。3日に1日は何らかのイベントを行っている状況です。行幸通りは仕込みも含めて7件のイベント、43日を利用するなど、非常に活発な活動を展開することができました。スノーピークやクリーマ、ナイキといった外部企業との連携で実施されたものも多く、「イベントを行いたい事業者と、警察や千代田区・東京都といった行政の間に入って、調整し、実現するのが我々の役目として定着してきた」と藤井は述べています。
また、公開空地の活用のため「しゃれ街条例公開空地等活用団体」では、大丸有内の14街区を対象にしており、各街区の利活用に協力するとともに、利用に関する相談や行政への報告などを担当することで、収益を上げることもできるようになりました。
大きなトピックスとして、エリアマネジメント広告事業が好調だったことが挙げられます。賑わいを演出するため、クオリティ管理で内容は絞りつつも、前年を大幅に上回る売上を出すことができました。

②「DMO東京丸の内の本格的組織化及びプレゼン施設の開設と活用」でも、大きく一歩を踏み出すことができています。今回初めて総会の会場となった「DMO東京丸の内」の開設はもとより、サイトの構築、国内外に向けた情報発信・PRで活動を展開。誘致目的で国外のコーディネーターを招待する「FAMトリップ」を8回開催したほか、商談会にも積極的に参加しました。その甲斐あってか、サイトを通じた問い合わせは前期25件から後期は43件に増加、4件が成約につながっています。

⑤「全国エリアマネジメントネットワークの活動を通じた海外団体との連携強化」では、同団体の事務局として、昨年度は5回のイベントを企画・運営したほか、ドイツで行われた「World Towns Leadership Summit」に参加し、次年度以降の日本開催を呼びかけるなど、海外でのプレゼンスを高める努力もしています。

藤井は、2018年度の活動を総括し、①②⑤については「◎」。しかし、④の「都市再生推進法人」は、1年を通じ申請、認可獲得の運動をしたものの成果が出せず、「2019年度も継続していきたい」と述べています。
そして、特に問題視しているのが③です。丸の内野球軟式野球大会、丸の内ラジオ体操、大丸有キラピカ大作戦といったエリア内の交流活動はますます盛んに実施しているものの、まだまだ周知が進んでいない状況であるとしています。
「まだま地域の方々に、リガーレの存在が十分に認知されていないと感じています。もっともっと積極的にアプローチし、活動を広げていきたい」(藤井)

2019年度の方針

こうした実績を踏まえ、2019年度の活動基本方針を以下の6項目と定めました。
①引き続き公的空間活用における活用の幅の更なる拡大を図るとともに、仲通りの将来像の検討に資する展開の推進
②DMO東京丸の内のプロモーション活動の本格化と実績づくり
③リガーレの存在・活動の認知向上のためのブランディング・広報強化
④リガーレの「都市再生推進法人」化(公的位置づけの獲得)
⑤全国エリアマネジメントネットワークの活動を通じた海外団体との連携強化
⑥地区内企業(地権者のみならず、テナント、就業者も)の巻き込みをより強化するための方策検討の推進

いずれも昨年度からの継続ではありますが、①では昨年度の売上を利用して、「仲通りの将来像検討のための調査・実験」に大きく注力していく方向です。
「今年5月には、仲通りに天然の芝生を敷く『MARUNOUCHI STREET PARK(丸の内ストリートパーク)』のような試みを行っています。今年はこのような実験的な、新たなチャレンジに取り組んでいきたいと考えています」(藤井)
丸の内ストリートパークは、仲通り1街区分、100メートルあまりに渡って天然芝を期間限定で敷いて、人々に公園やピクニックのように利用してもらおうという試みで、マスコミにも大きく取り上げられました。このような、発信力・影響力があり、同時に地域に大きく還元するまちのあり方を探るための調査、実証実験を行う予定です。

また、③のリガーレの認知拡大、ブランディングも2019年度の大きな課題となります。そのため、今年度はリガーレのサイトを大幅に改修し、PR、プロモーションに役立てていくほか、6月にはリガーレが著者となった著作『丸の内仲通り――“憧れの街”を支えるストリートの秘密』を発刊する予定となっています。

小林理事長の勇退

今年度の総会で、6月1日を持って、理事長の小林重敬氏が勇退することが発表されました。小林氏には、規約を改正して設けられる会長職に就いていただき、今後もリガーレの活動にご助言いただくことになります。また、後任には現副理事長の岸井隆幸氏(計量計画所代表理事、日大教授)が就くことも発表されました。

小林氏は退任の挨拶で、「設立当初は毎月理事会を開催しており、今でこそ回数は減りましたが、100数十回の理事会を重ねて、この地域の将来を考えてきました」と、2002年の発足当時を振り返り、今後のリガーレの活動に向けて次のように期待を述べています。
「1990年代に、これからのまちづくりはハードではなくソフトの時代だと、都市計画の提言に初めて『エリアマネジメント』という言葉が盛り込まれ、リガーレの設立につながっています。その時に、行政が主導するのではなく、もっと民間の力を利用すること、やる気のある企業団体を育てることも重要であると指摘されました。
リガーレは、この先さらに成長を遂げて、年間予算1億円を超える団体になるでしょう。さらにソフト面での活動を展開していくためには、ますます地域で愛される団体に育たなければなりません。この総会に、関係のない人たちがもっともっとたくさん遊びに来てくれて、何回も来たくなる。そんな団体として成長していってほしいと思います」(小林氏)

また、新たに理事長になる岸井氏は、これからのリガーレの活動に寄せて次のように述べています。

「この総会のスタッフには、若い人、女性が多くいますが、出席者自体はまだまだ中年男性ばかりで多様性に欠けています(笑)。もっともっと若い人、女性のエネルギーを活用し、このまちがもっといろいろな人に良いまちだなと思ってもらえるように、また、仕事を終えた後に、いい時間を過ごせるようにしていきたいと思います。何をどれくらいできるのか、組織が成長している今、未知の領域に入っていくと思います。これからも、皆さんのお力、小林先生のご指導をいただきながら、大丸有を良いまちにしていきたいと思います」(岸井氏)

懇親会の途中では、丸の内ストリートパークが紹介されたテレビニュースの映像を流し、どのようなインパクトを与えたのかを振り返りましたが、これは世界的にも稀有な例で、世界各地から注目を集めています。「大丸有は、日本のエリアマネジメントの先駆的存在。国内だけでなく、世界的にも注目を集めている」と小林氏が指摘するように、リガーレの活動は日本的エリマネの試金石的な存在でもあります。事務局長の藤井も、「この先のエリマネのあり方は、どこの教科書にも載っていないもの。やるなら我々が率先して取り組んでいきたい」と意欲を語っています。2019年度内に、さらにドキドキわくわくするような活動を展開していく予定です。どうかこれからのリガーレの活動にご期待ください。

 

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